日本財団 図書館


 

その発見や救助率を向上させようとして企画されたものである。
この装置は、前述のレーコンに比べてはるかに小型に構成できるので、あらかじめ救命いかだの天幕上又は救命艇の頂部に装備しておいて、事故が発生したときに起動させるもの、あるいは海上で浮遊するような形に構成したものを船舶上に装備して、船舶が横転したとき自動的に海上へ放出されるもの等が考えられ、そのほかにも、個人が携帯できるようにした腕時計型のものも出現する機運にある。
これらはいずれも9GHz帯のレーダー(航海用レーダー、捜索航空機用レーダー等)を対象に、レーダー側から見てこのトランスポンダーが存在する位置の後方に多数の点列を表示し、その方位や距離情報とともに、この固有のシンボルによって事故を通報しようとするものである。
この捜索・救助用レーダー・トランスポンダーは、ITU(国際電気通信連合)、IMOなど国際会議の場では“Radr transponder for facilitating search and rescue operations”又は“SAR transponder”あるいは単に“SART”と呼ばれているので、以下SARTと略すことにする。
(2)SARTの構成と動作
この装置は本体とコンテナから構成されている。
コンテナはSART本体の保管時にはその収容器となり、救命いかだ上などにて使用する際には空中線高さを1メートル以上とするための取付具となる。

 

 

 

026-1.gif

 

 

図2・12 SARTの一例

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION